Wifi対応エアコンをRaspberry Piでハック!日々の「暑い・寒い」を学習する完全自律型スマート空調を作ってみた

夜中のリモコン格闘からの解放

夏の夜や冬の就寝時、「27度だと寒すぎるけど、28度だと蒸し暑い…」と夜中に汗だくで目を覚まし、暗闇の中でリモコンを操作した経験はありませんか?

スマートホームが普及し、「室温が28度を超えたら冷房をオンにする」といった単純な自動化は簡単にできるようになりました。しかし、人間の「快適さ」は室温だけでなく、外気温や湿度、そして日々の体調や癖によって微妙に変化します。単純なしきい値制御では、結局「なんか違う」と人間が夜中に微調整することになってしまいます。

そこで今回は、Wifi対応のエアコン機器をRaspberry Piから直接制御し、日々の「暑かった・寒かった」というフィードバックを学習して「夜中のリモコン操作をRaspberry Piに肩代わりさせる」完全自律型スマート空調システムを作ってみました。


自律型スマート空調の仕組みと「朝の通勤フィードバック」

このシステムは、単なるリモコンの代わりではありません。日々のデータを蓄積し、強化学習的なアプローチで設定温度を自分専用に最適化していくのが特徴です。

1. 5分ごとの徹底的なデータロギング

Raspberry Pi上で常駐プログラムを動かし、Wifi経由でエアコンから「室外温度」「室内温度」「現在の設定温度」「運転モード」などの情報を5分間隔で取得し、12時間分のログとして記録し続けます。

2. 「状態」ごとの最適解を記録するグリッド

「外気温28度・室温26度」といった特定の状態のペアごとに、最適な設定温度を記録する「学習グリッド」を用意します。システムは現在の状態に一致するグリッドがあれば、過去の学習に基づいた最適な設定温度へ、人間が寝ている間にこっそりと自動調整してくれます。

3. 朝の通勤電車で行う「チャット問診」と学習(ここがキモ!)

毎朝、ユーザーが起床して通勤電車に乗っている時間帯に、チャットアプリ(Discordなど)経由でシステムが尋ねてきます。
「昨晩のエアコンはいかがでしたか?(1.快適 / 2.少し暑かった / 3.寒かった / 4.蒸し暑かった)」

スマホから例えば「2.少し暑かった」と返信すると、システムは昨晩の12時間のログを自動で遡ります。そして「外気温が一番高く、環境が過酷だった時間帯」を特定し、その瞬間のグリッドの目標設定温度を -0.5度だけ局所的に更新します。

4. 湿度戻り(ジメジメ)の自動回避

さらに、室温が下がって冷房が送風状態になることで発生する「ジメジメ感」も計算します。設定温度と室温のギャップ×時間を積分し、一定の閾値を超えたら自動で「除湿モード」へ切り替えるロジックも搭載。チャットで「蒸し暑かった」と回答すれば、この切り替えタイミング(閾値)も自動で早まるように学習します。


まとめ:人間に寄り添う真のスマートホーム

全体を一律に0.5度下げるのではなく、「外気温が〇〇度で室温が〇〇度の時だけ少し温度を下げる」というピンポイントな調整を、通勤電車のチャットを通じて繰り返すことで、数週間もすれば夜中に一切リモコンに触らなくても朝まで爆睡できる相棒が完成します。

さらに、この制御システムへの命令やログの追記はすべて、内部のローカルAPIを経由して行われるため、複数のプログラムが干渉し合わないクリーンな設計(疎結合)になっています。

毎晩リモコンと格闘する時代は終わりです。人間は朝の通勤電車で「感想」を伝えるだけ。あとはRaspberry Piが夜通し頑張って最適な空間をキープしてくれる、そんな自律型スマートホームを楽しんでいきたいと思います!

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